鎌倉市様の導入事例
この事例のポイント
【導入】 | 市職員の働き方改革やテレワークの推進のための前提として、行政事務のデジタル化が必須だった。職員のコミュニケーションツールを導入する上で、使い勝手の良い機能、セキュアな運用、導入コストを踏まえてChatLuckを採用。 |
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【効果】 | デジタル戦略課への問い合わせ(内線電話、対面)について、年間約3,000件の7割以上がチャットに置き換わり、コミュニケーションと情報共有の時間を削減。 |
【応用】 | 一部部門でのChatGPT実証実験で84%の時間を削減。全庁に拡大して実証実験を開始。 |
鶴岡八幡宮や鎌倉大仏(高徳院)など、由緒ある寺社仏閣、歴史的建造物を数多く有し、武家の古都としての面影を残す鎌倉市。人々の生活拠点として、また観光地としても人気の鎌倉市は現在、鎌倉市行政DX推進の指針を策定し、その達成に向けて具体的な施策に取り組んでいる。サービス提供の司令塔となる市役所のデジタル化にも積極的で、グループウェアとチャットツールの活用による業務効率化、コミュニケーションの活発化を実現している。今回、ビジネスチャット「ChatLuck」導入の経緯とその効果、未来の自治体を見据えた新たな取り組みについて、話をうかがった。
背景
内線電話、メール、対面のコミュニケーション手段がボトルネックに
―― 自治体DXが社会課題として指摘されていますが、鎌倉市はどのような取り組みを進められていますか。
鎌倉市は「誰もが生涯にわたって自分らしく安心して暮らすことができる共生社会」の実現を目指しています。その基本的な考えや方向性をまとめたのが「鎌倉市行政DX推進の指針」です。この指針の目標となる行政サービスのデジタル化を実現するため「ニーズに応じた行政サービスの提供」「便利な市役所の実現」「業務効率化、多様な働き方の実現」の3つの施策に取り組んでいます。
―― 鎌倉市行政DX推進の指針の実現に向けて、現場にはどのような課題があったのでしょうか。
庁内の職員間の円滑なコミュニケーションです。主なコミュニケーション手段は内線電話、メール、対面でした。内線電話は相手が忙しいとつながらず、メールは相手が読んでくれたかがわからず、見落としてしまうこともあります。対面だと本題以外の話でお互いに時間の無駄になったり、内容を正確に伝えられなかったりすることに懸念がありました。こうしたボトルネックが庁内各所で生まれていて、どうにかしなければいけないと思いながら、決定的な対策はなかなか打てませんでした。そこで注目したのがビジネスチャットです。
導入
重視したポイントはセキュリティと簡単なトークルーム作成
―― ChatLuckの導入に至った経緯は何でしょうか。
ビジネスチャットの検討を始めたのは平成30年頃でした。コロナ禍でリモートワークが普及し、コミュニケーションツールとしてビジネスチャットの必要性が強調されたことで、導入へ一気に舵を切ることになりました。複数のサービスを比較検討し、ポイントになったのは、リアルタイム通信ができるのはもちろん、トークルームの作成が職員レベルで簡単にできること。行政情報を扱うためセキュリティ対策は必須で、導入コストも含め総合的に検討しました。
総務省の指針により自治体は三層分離でネットワークを利用しており、業務に使うビジネスチャットをクラウドに置くのは、セキュリティ面でも情報共有の面でも難しくなります。セキュアなオンプレミスで運用しながら、他のシステムとの連携も簡単にできるChatLuckが最適だと判断しました。
総務省の指針により自治体は三層分離でネットワークを利用しており、業務に使うビジネスチャットをクラウドに置くのは、セキュリティ面でも情報共有の面でも難しくなります。セキュアなオンプレミスで運用しながら、他のシステムとの連携も簡単にできるChatLuckが最適だと判断しました。
効果
課を横断した2,000超のルームが誕生
チャットの即時性が業務効率の向上に寄与
―― ChatLuckの導入後、どのような効果を得られていますか。
約1,500人の市職員、約1,000人の会計年度任用職員という全職員が分け隔てなく利用できる環境を整え、業務の進捗管理や課をまたぐ全庁的な調整など、コミュニケーション全般に使われています。
内線電話、メール、対面が中心だった頃は、電話で所在を確認したり、リマインドのメールを送ったり、資料を紙で共有して意見を集約したりして、多くの手間がかかっていましたが、ChatLuck導入後は要件をトークルームに入れておくだけです。誰が読んだか既読表示ですぐわかりますし、意見を聞き、集約するのも簡単になりました。
市民サービスにも効果があります。電話で問い合わせ対応しながら、詳しい職員にチャットで意見をもらったり、情報共有してもらったり、という使い方もされています。チャットの即時性は大きな魅力で、業務効率は間違いなく高まっています。
また、ファイルのやり取りが非常に多くなりました。年間で1TBのファイルを送受信しています。 ChatLuckは送るのも閲覧するのも簡単ですし、トークルームごとに届いたファイルが表示されるのでわかりやすいと好評です。
内線電話、メール、対面が中心だった頃は、電話で所在を確認したり、リマインドのメールを送ったり、資料を紙で共有して意見を集約したりして、多くの手間がかかっていましたが、ChatLuck導入後は要件をトークルームに入れておくだけです。誰が読んだか既読表示ですぐわかりますし、意見を聞き、集約するのも簡単になりました。
市民サービスにも効果があります。電話で問い合わせ対応しながら、詳しい職員にチャットで意見をもらったり、情報共有してもらったり、という使い方もされています。チャットの即時性は大きな魅力で、業務効率は間違いなく高まっています。
また、ファイルのやり取りが非常に多くなりました。年間で1TBのファイルを送受信しています。 ChatLuckは送るのも閲覧するのも簡単ですし、トークルームごとに届いたファイルが表示されるのでわかりやすいと好評です。
―― 職員の方々は、トークルームを柔軟に使いこなしているのでしょうか。
約2,000のトークルームがあり、それぞれの課の常設ルーム以外にもさまざまなトークルームがあります。議会対応や予算・決算関係などに関わるものもあれば、個々のプロジェクトについて、課を横断して職員が参加するケースも少なくありません。今回の取材に関するトークルームも作成して、どう対応するか、参加メンバーで意見交換をしていました。
トークルーム運用の一例としては、新型コロナウイルスのワクチン接種業務が挙げられます。日別にワクチン接種業務に携わる職員が異なるため、その日の担当者間における情報共有専用のトークルームをつくり、対応が終わったら削除する。こうしたピンポイントの活用はビジネスチャットならではでないでしょうか。
トークルーム運用の一例としては、新型コロナウイルスのワクチン接種業務が挙げられます。日別にワクチン接種業務に携わる職員が異なるため、その日の担当者間における情報共有専用のトークルームをつくり、対応が終わったら削除する。こうしたピンポイントの活用はビジネスチャットならではでないでしょうか。
―― ChatLuckを定着させるために実施した施策があれば教えてください。
メールや紙の文書だとどうしても儀礼的な言葉使いになってしまいますが、チャットの場合は不要だということを明記した、簡単なガイドラインを作成しました。
入庁数年の若い職員が他部署の上の職員と話す機会はあまりありませんが「チャットだと自分からコミュニケーションを取りやすい」「心理的なハードルが低い」などの声もあり、現場では想像以上にスムーズに浸透しました。
上司によっては、「簡易な報告はチャットでも構わない」との判断があったことも大きなポイントです。チャットで報告を受け、詳しく聞きたい案件に限って説明を求めるようになり、課内の報連相の業務効率化が進んだと感じています。
また、デジタル戦略課では問い合わせ用のチャットアカウントをつくり、パソコンやプリンタ不具合などのヘルプデスク的な問い合わせも集約しました。以前は年間で3,000件近くの電話対応に追われていましたが、今では7割以上がチャットでの問い合わせになっています。担当は日替わりで交代して(テレワーク職員も含む)、特定の職員に負荷がかからない運用が可能なのもChatLuck導入の効果といえるでしょう。
入庁数年の若い職員が他部署の上の職員と話す機会はあまりありませんが「チャットだと自分からコミュニケーションを取りやすい」「心理的なハードルが低い」などの声もあり、現場では想像以上にスムーズに浸透しました。
上司によっては、「簡易な報告はチャットでも構わない」との判断があったことも大きなポイントです。チャットで報告を受け、詳しく聞きたい案件に限って説明を求めるようになり、課内の報連相の業務効率化が進んだと感じています。
また、デジタル戦略課では問い合わせ用のチャットアカウントをつくり、パソコンやプリンタ不具合などのヘルプデスク的な問い合わせも集約しました。以前は年間で3,000件近くの電話対応に追われていましたが、今では7割以上がチャットでの問い合わせになっています。担当は日替わりで交代して(テレワーク職員も含む)、特定の職員に負荷がかからない運用が可能なのもChatLuck導入の効果といえるでしょう。
―― ChatLuckとdesknet's NEOの連携もされているそうですね。
オンプレミスで運用しながら中継サーバーを使うことで、desknet's NEOの[スケジュール]と連携させています。現在、管理職にしか許可しておりませんが、外出先のデバイスでも、ChatLuckアプリから簡単にスケジュール確認できるのはとても評判がいいですね。
―― ChatLuckをスムーズに導入し、成果を出すために必要なものは何でしょうか。
チャットツールではなく、アイデア次第で行政のDX(業務効率化)が期待できるツールとして導入を検討するべきだと思います。コストパフォーマンスも高く、desknet's NEOとの連携でより幅広い効果を期待できるため、セット導入の検討価値も高いでしょう。
応用
特定部門でのChatGPT実証実験で84%の時間を削減
全庁に対象を拡大して再スタート
―― 2023年末から2024年1月末にかけ、ChatLuckの連携機能を活用したChatGPTの実証実験を行っています。その経緯を聞かせてください。
デジタル戦略課でChatGPTの可能性を模索していましたが、自治体で使うには課題もたくさんあります。そんな時、ネオジャパンからChatGPT連携機能について提案があり、2023年の夏にベータ版を使って職員を限定して実証実験を実施しました。後日、参加した職員約50名にアンケートを取ると、計画書や仕様書の作成、庁内の案内文の素案づくり、アイデア出し、文章の要約などに使い、全体で84%の時間削減につながったという、こちらも想像以上の成果が出ました。
これを受けて、鎌倉市からもっと踏み込んだ実証実験を実施したいと打診したのがきっかけです。最新版は、トークルームに参加する職員の1人のようにChatGPTを活用できるため、今までのチャットの延長として使えることに興味を持ちました。
昨年夏の実証実験は、ある程度IT知識があり、スキルも高い職員が対象でしたが、今回は全部署、全職員が対象です。ChatGPTに関して、セキュリティの面から不安視する自治体もありますが、ChatLuckの場合、連携するAPIをChatGPTは学習できない仕組みになっているなど、安心感が高いのも大きなポイントでした。
これを受けて、鎌倉市からもっと踏み込んだ実証実験を実施したいと打診したのがきっかけです。最新版は、トークルームに参加する職員の1人のようにChatGPTを活用できるため、今までのチャットの延長として使えることに興味を持ちました。
昨年夏の実証実験は、ある程度IT知識があり、スキルも高い職員が対象でしたが、今回は全部署、全職員が対象です。ChatGPTに関して、セキュリティの面から不安視する自治体もありますが、ChatLuckの場合、連携するAPIをChatGPTは学習できない仕組みになっているなど、安心感が高いのも大きなポイントでした。
―― 今回の実証実験に、どのような成果を期待しているのでしようか。
さまざまな属性の職員がどのような使い方をするか、反応を見せるかを確認したいと考えています。例えば、セキュリティリスクの高い使い方があれば、今後のChatGPTに関するガイドラインづくりに反映できるはずです。こちらから「こんな使い方をして欲しい」と規定せず、自由に、こちらが思いもよらない使い方から、ChatGPTの可能性を共有できる実証実験になることを期待しています。
お話をうかがったご担当者様
共生共創部 デジタル戦略課 課長補佐
笛田 貴良 様
共生共創部 デジタル戦略課 係長
神保 浩 様
共生共創部 デジタル戦略課
柴田 直也 様
ChatLuck 利用環境
導入時期 | 2022年12月 |
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利用形態 | パッケージ版 |
事業概要
所在地 | 神奈川県鎌倉市 |
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URL | https://www.city.kamakura.kanagawa.jp/ |
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