中央コンピューターサービス株式会社

中央コンピューターサービス株式会社

https://www.ccs1981.jp/

業種 各種ソフトウェアや基幹システムの開発・構築・保守を軸としたITソリューション事業
ユーザー数 99ユーザー
利用形態 クラウド版

北海道胆振東部地震。初動から安否確認そして各種支援へ。活きたのはチャットだった

取締役 所 達也さま

この事例のポイント

【発端】 北海道を襲った大規模地震と全道停電。災害時対応の動き出しの起点はChatLuck。
【対応】 超法規的にBYOD(=私用端末を業務で利用すること)解禁。安否確認・各種支援進む。
【展望】 チャットでITのメリットを実感。見えた課題はBCP(=事業継続計画)に活かす。

中央コンピューターサービス株式会社は、自治体や行政・教育機関をはじめとする多くの顧客に、基幹システムや各種ソフトウェア、ネットワークの開発・構築・保守、IT面でのコンサルテーション等の総合サービスを提供している。たとえば行政機関の基幹システムを構築するには、あまたある部署の要件定義を折衷しつつ、エンドユーザー等に満足してもらえる環境をつくらなければならない。顧客からの膨大な要望を調整し実現していくのは至難だが、同社はそれに応えてきた。顧客に寄り添い、意見に耳を傾ける姿勢、高い技術力、低コストのサービスに高い評価が寄せられている。
そんな同社が所在する北海道で、2018年9月、胆振東部地震が発生。同社のビルが建つ札幌市は一部で震度6弱の強震に見舞われた。しかし、同社は社員同士の人的つながりとITを駆使して、社員はもとより顧客のサポートにまで対応。そこで活躍したのがChatLuckだった。今回は災害時にビジネスチャットがどう活きたのか、話を伺った。

発端

大地震と全道停電。災害時対応の初動

―― 北海道胆振東部地震では御社がある札幌市をはじめ、道内各地で甚大な被害がありました。いま現在、被災によるダメージはどのような状況になっていますか。

ライフラインはほぼ元通りになっていますが、地域によっては復興は道半ば状態です。弊社社員に人的被害を受けた人はいませんでしたが、お客さまの中には物的損害に遭われた方もいらっしゃいます。依然として細やかなサポートが必要なところがあります。

―― 今回の地震では全道停電が起きましたね。一管内のほぼ全域で電気が止まることを「ブラックアウト」と呼ぶそうですが、電気事業連合会の発表では日本でブラックアウトが起こったのは今回が初めてだったそうです。

経験したことのない事態でした。とにかくお客さまや社員の安否状況が知りたかった。それから水や食料の確保等ができる環境を整えたかった。しかし電話は止まっていました。そこで活きたのがChatLuckです。弊社は普段、会社のPCでしかChatLuckを利用できないように端末制限をかけています。BYOD(=私用端末を業務で利用すること)は固く禁じていました。ただ、幹部クラスが所持している社用スマートフォンはChatLuckを使える設定にしていたので、社用スマホを活用し、まずは幹部クラスの安否をチャットで確認。会社の被害を伝えました。午前4:00ごろのことです。

―― 地震発生は3時7分ですので、一時間後には対策が練れる状態までつくれたのですね。

はい。弊社はお客さまの基幹システムを多く取り扱っていますので、今回の地震によるお客さまの被害状況を知ることが最優先課題でした。被災の状況がわかれば、サポートの手が打てます。ただ、北海道全域が停電していたため、ネットワーク回線・機器はもとより、電源がなくパソコンも使えませんでした。オンラインでお客さまの状況を確認することができなかったのです。電源確保が最初の課題でした。ですが、幸いにも弊社が入っているビルの電源復旧が早かったので、助かりました。

対応

超法規的措置で安否確認・各種支援へ

「地震ルーム」第1投目のチャット。BYOD解禁に伴う連絡事項を共有

「地震ルーム」第1投目のチャット。BYOD解禁に伴う連絡事項を共有

―― 「次の一手」はどのようなものになりましたか。

電源確保の課題が解決したので、次に行ったのはBYODの解禁です。とにかく自宅にいる社員たちの安否を知りたかったので、ここは役員クラスで討議して、超法規的にChatLuckを開放しようとなったのです。各人の家では、個人PCこそ動かなかったものの、スマホの充電が残っているメンバーはそれでChatLuckができましたので、一気に安否確認が進みました。

―― BYOD解禁もかなり早くに判断されたのですね。

ええ。ふだん社員はスマホアプリでChatLuckを使っていませんので、慣れないメンバーも多かったと思いますが、幹部クラスが必要なURLやセットアップ方法等をChatLuckやメールで社員に共有。使い方等もレクチャーしながら、社員のBYODによるChatLuckのアプリ利用を一気に浸透させました。
ただ、懸念もありました。端末制限を解除してしまうと、それまでChatLuckに蓄積してきた制限情報が消えてしまうのではないか等々です。そのため、すぐにネオジャパンさんに電話をして、端末制限解除の方法と、もとの運用ポリシーに戻す方法をお伺いしました。正直、管轄外だろうと思いながらも御社の営業担当に電話をしたのです。その営業さんは躊躇なく「最優先で手順を確認し、すぐにお返事します」と要望を聞き入れ、迅速に対応してくださいました。

―― BYOD解禁を行い、すべてが落ち着いたあとに滞りなく通常設定に端末制限を戻す。確かに、それが可能かどうかは気になるところです。

そのあと、ChatLuckで「地震ルーム」を立ち上げ、あらゆる地震関連情報を集約しました。まずは安否確認。「うちは無事です」「家具等は倒れましたが、ケガ人はいません」等々、続々と情報が寄せられました。それから、市内には液状化現象が起きたり道路がでこぼこになった地域や、停電が続いている地域がありましたので、そういった情報も共有し、安全に出社できる人たちには出社してもらって業務を回しました。
そこで一気に進めたのが、お客さまの安否確認です。これはさすがに現地に行って確認したり、あるいは電話で確認する必要がありましたが、安否を確め次第、情報をChatLuckにアップしました。

―― お客さまの状況はいかがでしたでしょうか。

安否確認は日をまたいで続きました。キャビネットが倒れ、物品が散乱し、めちゃくちゃになっている現場もありました。また、大規模土砂崩れがあった地域はご存じでしょうか。

―― 連なる山々で無数の土砂崩れが起こった、あの空撮映像は衝撃的でした。

実は、あの土砂崩れ現場の近くにもお客さまがいらっしゃったのです。弊社の経営理念、行動指針には「お客さまのため」という精神が刻まれていますが、こういう時こそ無私で助け合うのだと行動しました。お客さまの安否確認には幾日もかかりましたし、一週間たっても職場が悲惨なまま、という現場もありました。地震によってPCモニターが何台も壊れてしまった状況だとわかれば、あらゆる手段を使ってモニターを調達し、現地に設置したり、災害対策本部で救助活動に必要なデータを抽出するプログラムを作成したり、私たちにできることは何でもやりました。

展望

ITのメリットと課題を次に活かす

ホワイトボードに書き出された顧客安否情報

ホワイトボードに書き出された顧客安否情報

―― ライフラインが寸断された地域もあったと思います。

水と食料の確保、それから北海道は車社会ですから、ガソリンの確保が大変でした。ChatLuckを使って、「今どこどこでガソリンの配給が始まりました」とか「どこどこなら水が手に入ります」といった情報を共有しましたね。電気が止まっていたので、多くの家庭では車をアイドリングさせて、そこでテレビを見たりスマホを充電していました。ですから、とにかくガソリンが必要で、何時間も並んで手に入れました。

―― チャットツールをはじめ、ITの重要性を感じられたのではないでしょうか。

ChatLuckは便利でした。ですが、率直に申し上げれば、今回のことでデジタルに頼ることの弱さを痛感しました。たとえば、お客さまのネットワーク設備・回線などの情報はデータセンター上のファイルサーバーに入っていたのですが、電気が止まるとそれを確認することができなくなりました。また、データセンターに入るには許可を得なければならないのですが、どこに問い合わせて、どういった手順でデータセンターにアクセスしたらいいかも、デジタルでしか記録されておらず、確認に時間がかかりました。ペーパーレスが進んでいただけに、応急処置に困ったのです。ここは反省しなければなりません。

―― 御社はグループウェアdesknet's NEOも活用されています。同製品には[安否確認]機能がありますが、御社は社内システムへの社外からのアクセスを禁止しているので、同機能は活用されなかったのでしょうか。

はい。ですが、今後は使っていこうという話が出ています。セキュリティポリシーに強くこだわってきた弊社は、社内システムと外部をセパレートすることにも神経を使ってきました。ですが、情報の安全も大事ですけれど、当然ながらお客さまや社員の安全が優先です。ChatLuckでITのメリットを知った半面、震災を通し、ITのデメリットも知った。メリットとデメリットを熟知した上で、災害時対応を練ることが重要です。今後はさらに対策を万全にしていきます。

―― 読者の多くにとって、本稿が、BCP(=事業継続計画)について考えるきっかけになると思います。

そうなったら嬉しいです。もともとはスピード感に欠けるメールの非効率を解消し、コミュニケーションを活性化するために導入したチャットツールです。勧めてくださった御社営業担当者の熱意に押されてChatLuck採用を決断しました。もちろん、セキュリティの高さを信頼してということもありました。もし仮にChatLuckでなかったら、セキュリティを気にしてBYODを解禁できなかったかもしれません。個人情報や社の重要情報も思い切って投稿できなかったかもしれない。

―― 震災直後は、業務上の判断・決裁もチャットでされていたそうですね。

ええ。そういった情報を乗せても大丈夫だと安心して使えるのが、セキュリティに特化したチャットツールChatLuckだと思うのです。

お話をうかがったご担当者様

取締役 所 達也さま

基本的に、社内のやりとりはすべてチャットで行っています。メールの堅苦しい感じ、煩わしさといったものがないので、全社的にコミュニケーションが加速しました。そういった環境づくりが、いざ災害が起きた時のChatLuck利活用につながったと思うのです。ふだん気兼ねなく使っているツールだからこそ、遠慮なく社員が報・連・相をチャットできた。ChatLuckにはさまざまな形で助けられています。

ChatLuck 利用環境

導入時期 2017年9月
利用形態 クラウド版

事業概要

企業名 中央コンピューターサービス株式会社
URL https://www.ccs1981.jp/